powercuisine’s blog

メタボを気にせず食ったもの、飲んだもの、出逢った人々のこと。 そして、人生の悲しみ、喜び、なんてことないこと。

デザイン思考

イノベーション」が流行となり、特にIT業界が、もがいているように思える。

素直に日本語に訳せば「変革」とか「改革」。

会社内にもイノベーション推進部などという部署を作ったりして、もがいている。

そして、大抵のケースは、新しい技術を探してビジネスにするという事例が目立つ。
例えば、AIを使って新サービスを作るというイノベーション事例では、SoftBankのペッパー君を受付に置く。しかし受付嬢はペッパー君の後ろに控え、来客にペッパー君の操作を教える係になるという、摩訶不思議な現象が現れる。
インターネットが一般的に使われ始めた黎明期、「今、メール送ったから」と電話する現象を見ているような違和感。数年後、受付はペッパー君だけで成り立つのだろうか。

IoTという言葉もInternet Of Things=モノのインターネットということなので、新たな技術を結びつける方向にあり、工場の製造ラインに新たなセンサーを付け、インターネット接続させて監視するだとか、技術先行で考えるのは日本人の悪いくせだ。

 

最近、Zibaというデザイン会社の日本代表の話をセミナーで聞いた。

そもそもデザインには設計という意味があるので興味があったし、実際にデザイナーと一緒に新たな事業を起こしたこともあり、デザインは、うまく使えばビジネスシーンで最も有効に使える企画・計画・推進ツールだと考えている。

Zibaは「デザインの力で企業の価値創造の手伝いをすること」を明確なスローガンに掲げている。考えてみれば、一時流行ったCI=コーポレート・アイデンティティもデザイン事務所のワークであり、企業のロゴを作り変えるだけではなかった。
CI計画には、VI=ビジュアル統一、MI=マインドの統一、VI=行動の統一という3要素が入ってくる。ロゴをバッチとして身に着けたり、ロゴ入りの手帳を使うことで社員としての自覚を促すような効果を狙ったものだ。

日本人は単一民族だから、アイデンティティを統一させる必要が無いのだが、アメリカなど多民族国家は、人種・考えの違いを統一させる必要があったのである。

このようにデザインはビジネスシーンでは、古くから用いられてきたのである。

 

デザイン事務所の役割は、家電製品を作るときの形を作るデザインから一歩踏み出して、計画を立て、リサーチし、分析し、プロトタイプを作り、ユーザの反応を分析し、手直しし、また計画しという作業を繰り返していくという関わり方となり、これが、まさしくデザイン思考なのである。

 

イノベーション=技術革新みたい言われ方をするが、技術革新は、技術だけを話題にするに留まらない。組織と戦略があって技術がより生きてくる。イノベーションとは、戦略と組織、つまりはブランドに関わる問題なのだ。

そんな風に考えて、ITのイノベーションを進めてみることを、おススメする。

金融システムに関わる知人と話すと、フィンテックに否定的な人が多い。というかフィンテックと金融のIT化が混同されているので、改めてフィンテックという言葉を使いたがらない人が多いというべきか。
マスコミが騒ぐフィンテック狂騒曲は、ユーザが不在なような気がしてならない。作り手発想、送り手発想からビットコインやブロックチェーンを考えるのではなく、受け手の発想=消費者目線でサービスを考えないと、定着する仕組みはできないと思うのだが・・・・。