分散型台帳技術とWinny
技術の進歩は往々にして人間の欲望を満たすために急発展する。
VHSがBetaに勝てたのはAVビデオを黙認して流通させたためである。
WinnyもAVビデオや映画などをP2Pというファイル共有形式でダウンロードできる仕組みだった。 そのため、AVビデオのファイルがP2P環境にて相当なトラフィックを使っていた。 一時期は日本のインターネット通信の半分を占めていたといわれる。
開発者の47氏こと金子勇氏は、京都府警の著作権侵害幇助の罪で逮捕され一審有罪の判決となるが、その後、二審、最高裁と無罪となり無罪確定となっている。
しかし裁判期間の7年、日本でのファイル共有技術は有罪イメージから抜け出せずに開発がストップしてしまった。 同様の技術は、Skypeなどに応用され米国にてビジネスに使えるように進歩したというのに。
47氏逮捕の2004年から14年が経過した。47氏は42歳の若さで急性心不全により亡くなっている。そして近年、巷で流行っているブロックチェーンこと分散型の台帳技術。
ベースとなる技術はWinnyと同じP2Pに暗号化技術を高度に付与したものである。
日本のファイル共有技術が逮捕イメージから逃れ発展しつづけていれば、もっと早期に日本の技術が世界でイニシャティブを持てたのではなかろうかと最近つくづく思う。