powercuisine’s blog

メタボを気にせず食ったもの、飲んだもの、出逢った人々のこと。 そして、人生の悲しみ、喜び、なんてことないこと。

二ノ橋柳亭

直木賞作家の神吉拓郎氏の著作に「二ノ橋柳亭」という短編がある。 

ある雑誌に食通と呼ばれる方が二ノ橋にある柳亭のことを書いた。

角行灯が目印のその店は、小体な店ながらも、料理が美味しく、酒も美味い、しかも落ち着いて飲める酒飲みの隠れ家的な店だ。

その描写に読者から問い合わせが殺到したが、実は食通氏の理想を書いたもので、実在しない店だとわかる。

ところが、抜け目のない人が、同じ場所・同じ店名・同じ料理・同じ店の佇まいの実在店を作ってしまう。

編集者、食通氏が、その噂を聞き、実際に行ってみると、確かに寄稿文のままの店が実在している。 

そこで、皆、それぞれの思いを感じつつ・・というストーリー。本当に良い店は隠しておきたいと思う食通氏のジレンマ。それが理解できるので、あえて掲載した編集長。隠すことや読者を騙すことに軽い憤りを覚える若き編集者の気持ちが織り交ざる。

 

そして現在、食べログを始めとしてネット上で店の情報や評価が簡単に見られる時代。

しかも食通とまでは行かなさそうな自称グルメな素人が簡単に口コミを書き、評価さえしてしまえる時代。

本当に美味しい店、サービスが行き届いている店が正当に評価されているか疑問である。

もし本当の食通だったら、自分が本当に贔屓にしている店は人に教えたくないという心理が働くのではないだろうか。と考えると、食べログに載っている店は、「ま、公表しちゃっても良いか」と思う店や、さほど評価高くないけど、この店なら公表しても良いと思う店だということである。

そして、自称グルメな素人さんは、隠したいなんていう心理は働かないし、まともな評価軸を持っていないから評価もマチマチなので、「えっ、こんな店が4.0?」という現象が起きる。

 

インターネットが一般に普及し始めた頃、様々な情報を誰でも読めるようになったが、その情報が本当に正しいのか評価する読み手側の意識が重要だと言っていた人がいた。

情報とは「情けに報いる」と書く。そもそもDataやInformationは単なる数字や単語の集まり。そのDataにアクセス(Access)し、評価(Assess)し、受け入れ(Adapt)て、行動(Action)を起こすの一連のセットで成り立っている。

したがって、受け取る人の教育レベルや経験や感性などによって、そのDataInformationは有益なものにもなれば、無意味にもなるということである。まさしく、情けに報いるのが本当の意味での情報だと思う。

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杉山登志

「リッチでないのに

 リッチな世界などわかりません

 ハッピーでないのに

 ハッピーな世界などえがけません

『夢』がないのに

『夢』をうることなどは……とても

 嘘をついてもばれるものです」

 

昭和のTVコマーシャルを牽引した天才、杉山登志の言葉である。

しかしながら、天才も挫折を味わいつつ最後は自死を。

平成の世も終わり、令和となった今年、すでに昭和スタイルの強烈なリーダーのもとに仕事が回る時代も、終わろうとしているのではないだろうか。

たまたま広告関連の方と呑んでいて、今は亡き杉山登志の話になった。

我々は、強烈なリーダー不在の時代にあって、今後はどのようなスタイルで仕事を回していけばよいのだろう。

リーダー:自ら先頭に立って進むべき道を示す存在

マネージャ:メンバーの一人ひとりが最高のパフォーマンスを発揮できるように支援する存在

そう、リーダーとマネージャは違うのである。

自動車に例えると前輪駆動と後輪駆動の違い?
引っ張るか、押すか?

引っ張るのは抵抗も大きく、難しい。 会社で管理職と言われる連中は、大抵が後者のマネージャ。部下を前に立たせて、尻を叩く。この方が楽だからかも。

 

 

落書き

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喫煙コーナーにチョークで書かれた落書き。

FREE REFUGEESとある。

難民を解放せよ! という意味である。

なぜ、こんな場所に。 なぜ英語で。 なぜ、この言葉。

様々な憶測が出来る。

難民=喫煙者? という意味で書かれたのか?

単に政治的な訴えだったのか?

それにしても、誰が書いたのだろう。

映画YUKIGUNI

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YUKIGUNI

1958年に生まれた雪国というカクテルがある。

マティーニギムレットなど有名なカクテルのことを、スタンダード(=標準的な)カクテルと呼ぶが、日本のカクテルでスタンダードと呼べるカクテルの代表格が、この雪国である。 作り方はウォッカをベースにホワイトキュラソーとライムジュースを加えシェイクする。カクテルグラスの淵をレモンで湿らせて砂糖をまぶしたスノースタイルという形でミントチェリーが底に沈む綺麗なカクテルである。

このカクテルの生みの親である井山圭一さん(92歳、大正15年生まれ)にフォーカスを当てたドキュメンタリー映画である。

東京では渋谷アップリンク東中野ポレポレで上映している。

私事になるが昨年亡くなった父が大正15年生まれ、カクテルが誕生した翌年に私が生まれていることもあり、妙な縁を感じて興味深く観た。

まだ山形県酒田市で現役バーテンダーとして「ケルン」に19:00~22:30でカウンターに立つ老バーテンダー井山さんに父の面影が重なる。

 

Bar CALMA

白金の裏通りに、ひっそりと佇むバーがある。

BarCALMA。

オーナーバーテンダーは浅川氏。

銀座で有名なバー毛利で教えを受けた宮崎優子さん(大森テンダー)の弟子。

正当なバーテンダーだが努力も人一倍で若かりし頃はカクテルレシピを覚えるためにレシピ本を2回もノートに書き写して覚えたという。

この地に移って13年目になる。

裏通りの分かりづらい場所にあるので常連しか来ない。

アクリルとガラスを使ったカウンター、椅子、テーブルなどなど。

この内装は大人の空間である。

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女性バーテンダーに直接教えられたことで浅川氏の作るカクテルは、非常に色が綺麗である。ためしにジャックローズを作っていただいたところ、この綺麗さ。

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下の写真にあるカクテルはミント系でブルーなのだが、いれたグラスはサンルイ。

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ブラディー・メアリーをクラマトで作った、ブラディー・シーザーをお願いしたところ、今日は寒いのでホットにしましょうか?ということで、初体験のホット・ブラディー・シーザー。隠し味はパルメザンチーズ。 まるでスープのようだが、きちんとアルコールも残しているので酔うし、温まる。

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他に定番のモスコーミュールを作っていただいたのだが、ウォッカジンジャーエールというレシピは正当ではないと教えられる。高知産の生姜をウォッカに漬け込む。

モスコーミュール専用の生姜入りウォッカを作って・・・・これ以上は秘密。

探して、実際に飲んでみると違いがハッキリと分かる。

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酉の市

毎年、11月になると酉の市が開催される。

2018年の酉の日は、11/1、11/13、11/25の3日。三の酉まである。

東京では、新宿・花園神社、浅草・大鳥神社で各前夜祭も行われる。

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酉の市では、熊手を買うのが慣わし。

いわゆるテキヤさんから熊手を買い求めるのだが、しきたりがある。

熊手は縁起物。 商売をやっている人が、客やお金を掻き集めることを願う。

毎年、一回り大きな熊手に買い換えることで、商売が発展することを祈念する。

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小さいもので1,000円程度のものから、大きなものになると数十万。

テキヤさんと交渉して、値切っても構わない。

が、値切った分だけを御祝儀として置いてくるのが通例。

これで、シャシャシャン、と三三七拍子で締めて帰ってくるのだ。

それと買った熊手は境内を出るまでは、紙袋とかに入れずに持ち帰ること。

家庭用の小さな熊手や置物も用意されているので、今年から熊手デビューしてみては。

トワイスアップという飲み方

池袋に行きつけのバーがある。

締めに立ち寄る店だが、最後の1~2杯を楽しむには最適な店だ。

その日の酔い加減で、ブラディーシーザーを作ってもらったり、

ラム酒をストレートで飲んだり、香りの強いアイラモルトだったり様々に楽しんでいる。

この日、居酒屋で鮪料理を主体に焼酎水割りで程よく酔っていた。

だがモルトウィスキーが飲みたい。 ストレートでやるには強そうだ。

と思っていたところに、バーテンさんからトワイスアップを提案された。

香りを楽しんだり、テイスティングするために、ウィスキー1に対し常温の水2くらいで割り、ストレートグラスで飲む方法。

香りが分かりやすく、飲みやすい。

さらに発展させた方法として、シェーカーにウィスキー1、水1を入れて軽くシェイクというトワイスアップの方法もあるらしい。

こちらの方が攪拌されて馴染む。

お勧めのウィスキーは、香りを楽しむアイラモルトやバーボンあたりか。

他にアルコール度数が高いウィスキーでも楽しめる。

アメリカンプルーフ100のお酒は50度だが、ブリティッシュプルーフ100は57.1度に相当する。 SCAPAの次に試したのはハイランドモルトグレンファークラスカスクストレングス105プルーフ。度数で約60度。ストレートだとキツク感じられるがトワイスアップにすると30度となり香りも楽しめるので、お勧めの飲み方だ。

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